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大人になって初めてピアノを習う方、必見!

せっかく習い始めても、楽譜が読めるか心配…
高価な楽器購入の前に、出来ることはないかな…
大人の楽譜選びのポイントやコツが知りたい…

音大ピアノ科卒、現役ピアノ講師が大人の楽譜選びのポイントを5つにまとめて伝授。
楽譜選びが上手くいけば、音符や楽譜がスラスラ読めるようになる事間違いなしです!

教室に通うと、実際には講師が生徒さんの楽譜を選びます。
自費出版も出来る現代、楽器店や書店に行くと沢山の楽譜が並んでいます。
そんな玉石混交な世の中から、良質な楽譜を選ぶ必要があります。
事前に楽譜の選び方のポイントを知っておく事で、良質な楽譜テキストを手にする事が可能です。

是非これから始まるピアノライフの参考になさって下さい。

ピアノ講師はココを見ている!大人の楽譜選び、5つのポイント

楽器店や書店に並ぶ沢山の楽譜の中から、生徒さんに合った楽譜を見つけるのが講師の仕事。
しかし、1回の体験レッスンで生徒さんの全てを知る事は出来ません。
そこで、これから生徒になるあなた自身がしっかり楽譜選びのポイントを抑えておくことで、
より良い楽譜が手に入るはず。

大人になると浮上する視力(老眼)の問題
仕事や家事介護などと並行しながら、無理なく上達できる内容の問題

以上を加味しながら、大人の楽譜選びを5つのポイントにして紹介します。

自分のレベルに合っているかー#♭の数は3つまでー

先ずは自分のレベルに合った楽譜を見つけましょう。
「ピアノ初心者」と一言で言っても、実力は様々。

一応音符は読める方…
ドの音符も分からない方…
学校の音楽の教科書レベルなら覚えている方…
ピアノ以外の楽器の経験がある方…

またレベルに関係なく「一から学び直したい方」もいる事でしょう。

ピアノ初心者から中級レベルの方におススメなポイントとして、
曲に付けられているシャープ(♯)やフラット(♭)の数が0〜3つ以内の曲が掲載されている楽譜を選びましょう。

これらのシャープ(♯)やフラット(♭)の数が多いほど、楽譜を読むのに時間が掛かります。また、黒い鍵盤部分(黒鍵)を触る機会が増える為、指に負担も掛かります。

ピアノ初心者の場合、始めて1年はシャープやフラットがついていない曲を弾いていきましょう。
徐々にピアノに慣れてきたら、シャープやフラットの数を1つ、2つと増やしていけば無理なく上達します。

店頭にて楽譜の中を確認する際には、曲の冒頭に記されているシャープやフラットの数をご確認下さい。

書かれている音符の大きさが見やすいか

店頭でパッと楽譜を開いた際に、音符が小さく見えたり、
薄く見えるものは購入をおススメしません。
ピアノに慣れれば読めるだろうと思って購入しても、
いつまでも音符が読めないまま月日が経過する恐れがあります。

よく探せば、濃くハッキリと音符が書かれた楽譜は存在します。
なるべく目に負担の無い楽譜を選びましょう。

どうしても、探す事ができない場合は拡大コピーをしてスケッチブックに貼り付ける方法もあります。
自分だけのオリジナルの楽譜が出来上がるのも、楽しみの一つです。

収録されている曲数が多すぎないか

同じ初級レベルでも、楽譜によって収録されている曲や曲数が全く違います。
同じような値段でも、曲数が多い方がお得なイメージはあります。
しかしあまり曲数が多いと、楽譜自体が分厚くなり、持ち運びに不便にもなります。
また、ピアノの譜面台(楽譜を置く場所)に安定せず、演奏に支障が出るケースもあります。

「完全保存版 名曲集」といった分厚い楽譜に圧倒されて、挫折するケースは沢山見てきました。
どのページでも開きやすい、スマートな楽譜を選びましょう。

半年〜1年以内に1冊終了するくらいのボリュームが理想です。

曲の解説が多すぎないか

楽譜の中に曲の解説や演奏のポイントが多く書き込まれている教本はおススメしません。
楽譜全体が見づらく、演奏に支障が出るからです。

また、音符全てに音名がカタカナで記載されているのもおススメしません。
カタカナ表記に頼って、いつまでも音を覚えない恐れがあるからです。

どうしても覚えられない場合は、自身の字で楽譜に書き込みましょう。
鉛筆で書き込むことで、必要性がなくなり次第、消しゴムで消すことも可能です。

楽譜を選ぶ際は、なるべくシンプルで余白が見られる物を選びましょう。
曲の解説は、楽譜とは別スペースに記されている物を選びましょう。

シリーズ化されている楽譜かどうか

楽譜を選ぶ際に、今後の上達を見据えてシリーズ化されている物を選びましょう。
たとえ趣味であっても、1冊で演奏技術が完結することはありません。
1曲でも多く練習する事が上達のポイントでもあります。
「楽譜は消耗品」という意識でどんどん進めていけるような物を選びましょう。

この楽譜が終わったら、次はどの楽譜になるのかが明確な状態で
レッスンをスタートさせると先が見えて安心です。

おススメの教本、曲集

一口に「楽譜」と言っても内容に種類があります。
大きく分けて3つ
・教本
・曲集
・教則本(指のトレーニングのための)

教本とは教科書のように、音符の名称や鍵盤の位置、ペダルの使い方などが掲載されています。
1冊持っていると安心ですので、充実したものをご用意下さい。

曲集とはドリルのように曲だけが掲載されている楽譜の事。
自分のレベルに合った曲を数多くこなす事で、確実な上達が見込めます。

教則本とは一般に教本と同等の意味を指しますが、
ここでは指のトレーニングに特化した「教則本」として挙げます。
ピアノを弾く以上、指のトレーニングは不可欠。
毎日でも小まめに動かしておかないと、指は動かなくなります。
教本とは別に、指の鍛錬に特化したトレーニング曲が掲載されている教則本を紹介します。

大人の趣味の場合、「教本」「曲集」「教則本」の3冊全てを所持する必要はありません。
楽譜によっては、教本と教則本が合わさった内容のもあります。
また、教本や曲集にある曲から「教則本」の役割を担う指トレーニングは可能です。

ここではそんな効率的な楽譜を紹介します。

ヤマハ出版 「ピアノ悠々塾」

「教本」「教則本」「曲集」の全てが折り込まれている優れた楽譜です。
音符は濃く大きく掲載されているため、80代の方も愛用されています。

曲は懐かしの童謡唱歌、映画音楽、洋楽、とクラシックも掲載。

1曲ずつ楽しみながら、リズムや音の読み方、音符の種類、指くぐりの仕方まで段階を追って習得できます。

入門編から、初級、中級とシリーズ化されています。

この教本だけでも余裕のある方は、同シリーズの曲集「レパートリー集」も併せてご利用下さい。

脳トレピアノ®︎出版「脳トレピアノ®︎曲集」

特許庁より知的財産として商標権を取得した「脳トレピアノ®︎」。
懐かしの童謡唱歌や憧れのクラシックが弾きやすくアレンジされている曲集。

1巻2巻とシリーズ化されており、レベル順に掲載されているので進めやすい曲集です。

曲の合間には、曲に関する豆知識も充実。
読み物としても最適です。

最大のポイントは、歌曲も掲載されている事。
講師のピアノ伴奏に合わせて懐かしの曲を歌う事も出来ます。

ピアノに限らず、歌にも興味がある方におススメの1冊です。

「バイエル」

子供のピアノレッスンでも昔から頻繁に利用される、言わずと知れたピアノ教本。
ロマン派時代のドイツの作曲家バイエルの作品です。

曲に題名はなく、106曲全て番号で記されています。
1番の片手から始まり、両手奏まで段階を追って上達するよう構成されています。

近年では子供のレッスンでもバイエルを使用するケースは大分減っています。
指導者によっては、上達の妨げになるという方もいます。

現代にあまり用いられないバイエルですが、
流行にとらわれずしっかりバイエルに取り組んだ方は、やはり上級者になられてます。

一見どの曲も似たような曲調ですが、そこにバイエルの意図が隠されています。

「この曲は一体何を習得させたいのか」
「この曲はどんな雰囲気で弾くのが望ましいのか」
と試行錯誤しながら練習を積み重ねることで、
その曲に相応しい音や表現のできる奏者になります。

まさに、ピアノが上手な人の共通点を得ることができるのです。

コツコツ練習を続ける気持ちのある方は、是非取り組みましょう。

まとめ

大人のピアノ初心者に向けた楽譜の選び方を5つのポイントにして紹介しました。

①自分のレベルに合った楽譜を選ぶこと
〜シャープやフラット記号は多くて3つまで〜

②音符が見やすい楽譜を選ぶこと
〜音符の大きさ、濃さに注意〜

③収録されている曲のジャンルや曲数

④適度な曲の解説量

⑤シリーズ化されている楽譜を選ぶ

教室に通っている場合の、講師が生徒さんの楽譜を選ぶケースがほとんどです。
だからこそ、生徒の立場でもしっかり選び方のポイントを抑えておきましょう。
是非、今後のピアノライフにお役立て下さい。