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音大ピアノ科卒・現役ピアノ講師が『大人でピアノは遅い?!』をレクチャー。
本当に遅いのかを実態例を加えながら、お伝えします。

実際に大人になって「ピアノが弾けるようになりたい」と思う方は、男女問わず多くいます。
年々、大人の方からのお問合せが増えているのが現状です。

年代は主婦層の40〜50代。
お勤めされている50〜60代男性。
定年退職後の70代男性。

幼少からの憧れ…
子供が使っていたピアノが自宅に眠っているから…
脳のトレーニングとして日課にしたい…
などなど、ピアノを始める理由は様々です。

『大人で始めるのは遅い』と言われている中で、実際に習い始める方は増えているのです。
ここでは『遅い』と思ってしまう理由、
大人でピアノを始めるメリット、
大人で習い始めるにあたっての挫折しないポイントを紹介していきます。

ピアノを始める事に躊躇してしまっている方は、是非参考にしましょう!

『大人でピアノは遅い?!』と感じる3つの理由

ピアノは子供の時に始めないと『遅い』という印象があります。
『遅い』と感じる原因は何でしょう。
何をもって『遅い』と感じるのでしょう。

音符が読めないから『遅い』のか、
両手でスラスラ弾けないから『遅い』のか、
コンクールで入賞できないから『遅い』のか、

気持ちの持ち方で、習い事スタートに対する考え方は変わります。

子供より理解速度の早い大人なら、音符は読めるようになります。
レベルに合った曲なら、両手でスラスラ弾けるようになります。
大人のピアノ愛好家のためのピアノコンクールなら、入賞も狙えます。

反対に、音符が読める必要はあるでしょうか?
読めなくても生きていけますし、音名を楽譜に書き込めば弾けます。

コンクールや発表会に出る必要はあるでしょうか?
人前で弾かなくても、自分だけの空間でピアノを楽しむ事は良い事です。

あなたのピアノに対する目標をイメージする事が、大人のピアノを楽しく続けるコツです!

ここでは、大人でピアノは『遅い』と感じる3つの理由を挙げていきます。
是非、参考にしてください。

『子供の頃から習わないと上達しない』という思い込み

実際に大人になってピアノ教室に通い始めた生徒さんも
「本当は子供の頃から習わないと意味がないのですよね」と言っています。

そもそも、一体誰がそのような定義を言ったのでしょうか?

確かに幼少時代にピアノに触れてから大人になって再開した場合、
感覚を取り戻せれば、そこから更なる上達が期待出来ます。

しかし、幼少期習っていた層のほとんどの方が頭で理解せずに感覚で弾いていた事と思います。

この「感覚で弾く」は良くも悪くも幼少期にしか通用しません。
10代後半にもなると、感覚だけではなく曲の構成や音楽理論などの知識も得る必要があります。つまり知識を得て理論を理解した上で弾かないと、そもそも弾けないのです。

大人のレッスンでは、まず知識を得てから演奏へと向かいます。
子供よりも理解する速度の早い大人は、知識を得るのは簡単です。

以上の事から、結局は「子供の頃から習っていても」「大人になって習い始めても」ゴールは同じでしょう。
また、子供の頃は「親に習わされていた」という受け身の感覚ですが、
大人になると「自分で習いに行く」という主体性が出ます。
その点から、大人でピアノを始めた方が上達も見込めます。

是非大人になってピアノを始める方、再開する方は前向きに捉えていきましょう。

練習時間が取れない

大人になると子供の頃のように時間は取れません。
自分の事はもちろん、仕事、親や子供の世話も起こります。

その隙間時間にピアノに触れる時間を持っていくのが現実です。

「まとまった時間ではなく、こんな数分の隙間時間で大丈夫?」
と思われる方もいるでしょう。

人間の集中力は数分が限度と言われています。
この数分を1日のうちに数回持つことで、上達への効果が見られます。

長時間練習という「労力」よりも短時間練習を数回という「小まめさ」が上達の鍵です。
あなたの生活にピアノ時間を組み込んでいきましょう。

モチベーションが維持できない

日々やる事に追われている大人にとって、習い事の継続は大変でしょう。

しかし、上達している人はしっかり時間を見つけて継続しています。
また、経営者や企業の社長など、忙しく活躍している方ほど趣味は充実しています。
ピアノは座って出来る習い事なので、死ぬまで習うことが出来ます。

人生100年時代と言われるこの時代。

飽きずに継続するポイントは2つ
・自分の目標ゴールを定める事
・自分の良しとするポイント(妥協点)を定める事

以上を定めることで、ピアノの継続がグッと楽に叶います。

「自分の目標やゴール」の例として、
・エリーゼのためにが弾けるようになりたい
・バイエルを修了させたい
・ジャズが弾けるようになりたい
・生涯、認知症にならずに居たい

「自分の良しとするポイント」例としては、
・自宅練習が出来ない時も、定期的に教室に通う
・週末のこの時間にだけ、ピアノ練習時間に充てる
・音符が読めるようになれば良い
・スラスラ弾けなくても、楽しければ良い

教室に通っている時も、自分の目標と妥協点を見直すことが大事です。
のめり込んでいくと、妥協点を忘れてしまったり…
上達していくと、ゴールを見失ったり…

ピアノ継続を辞める事の無いように、時折自分に立ち返ることをお勧めします。

大人でピアノを始めるメリット3選

せっかく大人になってピアノを始めるのなら、心身への効果やメリットも欲しいところ。
ここでは、大人だからこそ嬉しい効果とメリットを3つに絞ってご紹介。

・意外!大人のピアノは継続しやすい?!
・ピアノを始めて○ヶ月で、脳に効果が現れる?!
・ピアノを○年続けると、脳の構造が変わる?!

幼少期に憧れていたピアノという習い事。
大人になって始めても、その憧れを取り戻す事は可能です。

ピアノに興味のない方も、これを知れば始めたくなる!
是非、参考にしてください。

子供より少ない時間で上達する

子供のレッスンと大人のレッスンでは、内容が異なります。
子供の場合、1つの音を覚えるのに数ヶ月〜数年かかるケースもあります。
一度覚えても、すぐに忘れたりと記憶の定着に時間が掛かります。
幼少期からピアノを習っている子達は、音と鍵盤の位置を覚えるために数年掛けているのです。

大人の場合、音と鍵盤の位置を把握するのに、それほど時間を要しません。
大人なら1ヶ月ほどで習得できるのです。

幼少期から習うよりも、効率的にピアノの上達が見込めます。
音と鍵盤の位置を把握したら、あとは指を動かすトレーニングあるのみ。
ピアノを始めるか迷っている時間が勿体無いので、
1日でも早く始める事をおすすめします。

ピアノは身体に負担なく続く習い事

楽器の中でも「ピアノ」は鍵盤を抑えれば音が出ます。
音を出すのが難しい楽器として、ヴァイオリン、サックス、フルート、トランペットなどが挙げられます。

肺活量や高い技術がなくても弾ける「ピアノ」は大人の初心者向けに最適なのです。

よく、ヴァイオリンとピアノ、ギターとピアノ…
というように好きな楽器とピアノをセットで習う方がいます。

ピアノは全ての楽器が持つ音を鳴らすことができる楽器の王様です。
ピアノで音感を養いつつ、ヴァイオリンを弾くというスタイルで習う方法もあるのです。

激しい運動を要せずに年齢関係なく出来る「ピアノ」は、
大人の初心者にお勧めの習い事です。

癒し+脳の活性化

ピアノの音には、誰が聴いても癒しの効果があります。
音自体の周波数に癒しの効果がある為、誰が弾いても癒やされるのです。

また脳トレ効果が出るのは、ピアノを初めて4ヶ月くらいからと言われています。
そのまま2年継続すると、脳の構造が変わるとも言われています。

ま楽譜にある音を鍵盤から探して弾く作業は、脳の刺激になります。
日常生活においてピアノに似た動作として「車の運転」が挙げられます。
ハンドルを握りながら、道路の先を見て、アクセルやブレーキ操作をする同時作業。

車の運転は危険が伴いますが、ピアノは年齢制限や危険がありません。
心身の健康や脳トレを意識して、ピアノを始めるのも良いでしょう。

大人のピアノ初心者生徒さまの実例紹介

音大卒、現役ピアノ講師が楽器店勤務や個人教室での大人生徒さまの例をご紹介。
皆さん、初めは音符が読めず鍵盤の場所を探す所からスタートします。

ここでは、
・大人でピアノを始めてどのくらいで発表会に出演出来たか
・どんな楽譜をどれくらい使ってレッスンしているか
・自宅にはどんな楽器を用意したのか
・何を楽しみに、何を目的にレッスンに通っているのか

などを踏まえて紹介。
身近な例を参考にする事で、ピアノを始めるきっかけが明確になります。
是非参考にして下さい。

50代パート主婦のピアノ生徒さま

幼少期から憧れていたピアノを習いたいと、お子さんが高校生になったタイミングで教室に通い始めました。
ご自宅ではお子さんが使っていた電子ピアノで練習をしています。

教室では教本と曲集が掲載されている1冊を使って、レッスンしています。

ピアノを始めること1年で、大人の発表会に出演。
始めは講師との連弾出演なので、安心して楽しむ事ができました。
大人の発表会は楽譜を見てもOKなので、気楽に参加する事が出来ます。

ピアノを始めてから指の細かい動きが苦にならなくなり、
頭の回転も速くなった!と実感されています。

50代自営業女性のピアノ生徒さま

大人になって、憧れていたピアノを50代で始めた生徒さま。

教室入会後に、電子ピアノを購入。
レッスンでは音符を書く所からスタート。
楽譜に書かれている記号の意味や由来も学びます。

楽譜は見やすくA3で拡大コピーしたものをスケッチブックに貼ってレッスンします。
週1のペースで1曲をクリア。
入会後3ヶ月で指のテクニック教本も追加してレッスンしています。

大人になると指が速く動かないのでは…と心配されていましたが、
メトロノーム♩=100の速さで、弾けるようになりました。

ご自宅では隙間時間を見つけて、短時間を数回に掛けて練習されています。

子供より理解速度の速い大人は、短時間練習で上達するので
無理なくレッスンを続ける事が出来ている様子です。

70代定年退職男性のピアノ生徒さま

薬品を扱う理系職を退職されて始めたピアノ。
ピアノの他に、吹き矢やパソコン教室にも通われている生徒さまです。

指先を動かして、認知症予防を期待されてピアノ教室の入会を決めました。
娘さんが使っていたアプライトピアノを有効活用したいのもあり、
毎日の練習を日課にされています。

レッスンでは指のトレーニング「ハノン」と曲集1冊を使用されています。
ハノンではメトロノームを使って鍵盤をしっかり抑える事で、
指と脳への刺激と効果を楽しんでいます。

曲集には馴染みのある童謡唱歌や憧れのジャズも掲載。
弾きたい曲から1曲ずつ取り組んでいます。

30分のレッスンでは1回だけ弾いて、講師からのアドバイスをメモ。
残りの時間は、ご家族の話や他の習い事の話などを楽しんでいます。

大人のレッスンでは、「弾く」だけではなく講師との会話を楽しみにされる方も多くいらっしゃいます。
ピアノはもちろん、一番の脳トレは「会話」です。
是非、会話も楽しみつつ大人のピアノレッスンをお楽しみ下さい。

まとめ

大人でピアノを始めるのは遅いか?!について、
結論としては、「遅くない」です。
日々の積み重ねが重要なので、
迷っている間に一日でも早く始める事をお勧めします。

「遅い」と感じるのはその人の捉え方次第です。
・両手でスラスラ弾けなければいけない
・速いテンポで弾けなければいけない
という「間違ったこだわり」を根強く持っている人ほど上達しません。
いつまでも口ばかりで、指を動かさないからです。

ピアノは指と頭で弾きます。
間違った拘りを捨てて、素直な気持ちでピアノに向かう事で
大人からでも上達するでしょう。

大人のピアノで必要なのは、素直な心と楽器のみ。
大人でピアノを始めようと思う方は、是非参考になさって下さい。