脳は大きく分けて「大脳」「小脳」「脳幹」という3つの部位で構成されています。
中でも最も大きく脳全体の8割を占めている「大脳」を詳しく見ていきます。

大脳は4つの部位に分類され、それぞれに大まかな役割があります。

前頭葉	運動、感情、思考、判断などの高度な知的活動を司る
頭頂葉	空間認知（身体の各部位の感覚、立体や図形の把握）
側頭葉	聴覚や言語を司る
後頭葉	視覚に関する領域

ピアノを弾く事で、これら4つの部位が満遍なく刺激されます。

ピアノ演奏は右脳と左脳をバランス良く使うと言われています。

具体的に音楽ではどのように右脳と左脳へ刺激を与えているかを見ていきます。

左脳	童謡やポップス、歌謡曲などの歌詞がある音楽
右脳	クラシック、ジャス、オルゴールの音などのメロディー中心の音楽

右脳と左脳をバランスよく使う事で右脳左脳をつなぐ脳梁（のうりょう）刺激し、この刺激が運動を司る「小脳」や記憶を司る「海馬」の成長に影響を与えます。

記憶力は年齢と共に衰えるものではありません。
実は近年この「海馬」だけは新しい神経細胞を生み出す事が分かりました。
加齢と共に記憶力は衰えると言われる事もありますが、実は記憶力は年齢関係なく鍛えられるものです。

よってピアノで記憶力を鍛える効果は、幾つになっても得られると言えるでしょう。

ピアノを弾く事で、意外にも「耳」を酷使しています。
耳は脳との関係が深く、「聴く力」を養うことで様々な効果が期待できます。

一番期待出来る効果は「コミュニケーション能力」です。
組織を束ねる経営者や実業家はこの「コミュニケーション能力」がずば抜けて高いと言えます。

また一番の「脳トレ」「認知症予防」としてあげられるのは『会話』です。
ピアノを弾くこと以前にこの『会話』が1番の脳トレなのです。
よって退職をした方でもこのコミュニケーション能力は大切です。

脳と密接に位置する耳からの刺激は、脳全体へ伝わります。
「脳の活性化」や「脳トレ」に必要なのは脳全体が活性化する方法を選ぶ事と言われています。

ピアノを習うと楽譜や音符との関わりが不可欠になります。

音符にはそれぞれ長さや単位があります。
また楽譜にある拍子記号や速度表示も数字で記されています。
音符に触れることで自然と数字にも触れる事となります。

大人の場合、学校に通わず算数数学に触れる機会が殆どありません。
ピアノで数字に触れる事で、算数の感覚を養える機会が得られます。

実際に教室に通われている生徒さまの中には、理系大学生や薬品を扱う研究職を退職された方もいらしてます。

また数学以外に、語学の習得や読解力の向上にも効果があります。
聴こえてくる音を耳で聴き分ける作業は、外国語のリスニング力に効果があります。
楽譜を見て演奏することで、先を読む力が身につき読解力に自信がつきます。

東大生の半数が幼少期の習い事にピアノを取り入れていた事からも、ピアノは学力向上に期待できる習い事と言えます。

ピアノを習うことで脳全体が刺激を受け、右脳左脳バランス良く活性化するという事が分かりました。

指先からだけではなく、耳からの刺激や講師との会話によるコミュニケーションも認知症予防に効果的と言えます。