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大人になって憧れのピアノを習い始める方…
幼少期以来、数年ぶりのピアノ再開の方…

初心者でも経験者でも、楽譜の見方や音符の読み方を一から学び直したい!と思う事でしょう。
楽譜を開くと、音符以外にも楽語や記号で溢れています。
情報に溢れた楽譜を自己流で眺めていても、上達はしません。

書店で分厚い攻略本を購入しちゃってませんか?
実際に楽譜を購入する前に必要な知識と、購入してから必要な知識があります。
必要なタイミングで必要な知識を習得するのがポイントです。

ここでは楽譜を読む上で特に基本となる大事な点だけを、
5つに絞って紹介します。

楽器がない方も、楽譜がない方も是非参考にして下さい。

①音の並ぶ順番

音には決まった並び順があります。
この並び順を「音階(おんかい)」と言います。

音階は世界共通で、絶対に変わる事がありません。
楽器を購入する前に、しっかり覚えましょう。

ドレミファソラシド

この順番を覚えたら、逆からも読めるようにしましょう。
ピアノを習っている方でも、逆からは読めないという方もいます。

更に進んだトレーニングをご紹介します。
音を一つ飛びで読んでみましょう。

ドミソシレ
レファラドミ
ミソシレファ

と言うように、どの音からでも一つ飛びで読めるようにする事をお勧めします。
この一つ飛びに並んだ音をまとめて弾くと「和音(わおん)」になります。
和音は実際によく弾く機会が多くあります。

読める事で指が動くようになるので、楽器を購入する前にも練習が可能です。

ドレミは日本語じゃない

私たちがよく口にしているドレミは、日本語ではありません。
ドレミファソラシドはイタリア語での発音です。

それでは、日本語でドレミはどう言い表すのでしょうか。

ハニホヘトイロハ

と発音します。
あまり馴染みのない読み方ですし、趣味の場合知らなくてもピアノは弾けます。

実際に使う場面では、「ハ長調」「ニ長調」といった曲の調性を言う際にこの日本語音名を活用します。
また「ト音記号」「ヘ音記号」といった記号にも、この日本音名が使われています。

②ト音記号とヘ音記号

「とおんきごう」「へおんきごう」と言うフレーズをよく耳にします。
しかし意味や使い方、名称の由来など知らない方が多いと感じます。

画像の右側にある「ト音記号」は高音部譜表とも言われます。
その名の通り、高い音域の音を表す際に楽譜に記されます。
ピアノ椅子に座った際、高い音の鍵盤は体の右側に位置します。
その為、ト音記号は右手で弾くケースがほとんどです。

次に画像左にある「ヘ音記号」についてです。
別名、低音部譜表と言われます。
鍵盤の左側が低音の為、ヘ音記号は左手で弾くケースが多いです。

ここで、ト音記号とヘ音記号の名称の由来についてお話しします。
ト音記号の「ト」はイタリア音名で「ソ」の事です。
「ソ」の音が位置する所から成り立っている記号です。
よって「ト音記号」と名付けられました。

「ヘ音記号」の「へ」は「ファ」の事です。
「ファ」が位置する所から成り立っている記号なので「ヘ音記号」と名付けられました。

「ト音記号」「ヘ音記号」を利用して、楽譜上で音を探すヒントにして下さい。

ヘ音記号が読めない人が圧倒的に多い

ピアノを挫折する理由の1つに「楽譜にある音を読むのが苦手」が挙がります。
皆さんが苦手とする音のほとんどが、ヘ音記号の音です。

耳に馴染みやすいメロディを担うト音記号は、覚えやすい傾向にあります。
それに対し、伴奏を担う事が殆どのヘ音記号は耳に馴染みにくいので覚えるのに時間が掛かります。

また、ト音記号とヘ音記号は同じ「ド」でも楽譜に記される位置や形が違います。
このことから、混乱しやすい記号とされています。

幼少期にピアノの経験がある人も、数年ぶりに楽譜を見るとヘ音記号が読めなくなっているケースが多々あります。

そのくらい厄介なヘ音記号ですので、慎重に丁寧にさらっていく必要があります。

③超基本!音符の種類

音符には沢山の種類があり、それぞれ長さ(音価)があります。
たまの色やぼうの形で音価の違いを表していきます。
ピアノを始めるにあたって、全てを覚える必要はありません。
ここでは、楽器や楽譜を持っていない段階でも知っておきたい音符を3つ紹介します。


1拍を表す「四分音符」

たまが黒く、ぼうが1本付いた形です。
たまの位置によってはぼうが下向きにもなります。
ぼうの向きは関係なく1拍分を表す音符です。
市販のテキストや学校教科書にはこの四分音符の音価を「タン」と言い表す事がよくあります。


2拍を表す「二分音符」

たまが白くぼうが1本付いた形です。
たまの位置によってぼうが下向きにもなります。
ぼうの向きに関係なく、2拍分を表す音符です。
1拍の四分音符を「タン」と言い表すのに対して、2拍の二分音符は「ターアン」と表されます。

4拍を表す「全音符」

白いまるが一つで4拍分を表す全音符が表されます。
全音符の「全」はその小節全部ですよと言う意味です。
弾く際は「ターアーアーア」」や「1.2.3.4」とカウントして弾きます。


楽譜に出て来た音符だけを覚えていけば良い

ピアノを習い始める前に、書店で「楽譜の読み方」攻略本を手にする人も多くいます。
そういった攻略本は分厚く、永久保存版並みに情報が詰まっています。
攻略本を熟読するのも良いですが、弾き始める前に読み過ぎるのも問題です。

楽譜にある曲を弾きながら学ぶので充分です。
ピアノは実践しながら知識を得る事で、確実に身につきます。

攻略本を既にお持ちの方は、時々開いてみてください。
以前より知っている事や、理解できる事が増えてモチベーションが上がるでしょう。

また、ピアノ習いはじめの初期の段階では5本の指に収まる程度の音しか出て来ません。
まずは「ドレミファソ」の5つの音を把握しましょう。
楽譜での位置と鍵盤上での位置をしっかり把握することが、ポイントです。

④「せんの音」と「かんの音」

音符の形には大きく分けて2種類「せんの音」「かんの音」がある。
丸い「たま」が棒に刺さっている形状が「せんの音」
丸い「たま」が棒に挟まれている形状が「かんの音」です。

初級の段階において、楽譜から音を読み取る際に「せんの音」「かんの音」は役立ちます。

ドレミファソラシドと並んだ音階は必ず「せんの音」「かんの音」が交互に並びます。
まだ音を読むのがスムーズでない初期の段階では、ドレミ…と数えていくこともあります。

数える際の目安になる「せんの音」「かんの音」は初心者の方には是非知っておいて欲しい知識です。

規則性が分かると音がスラスラ読める!

「せんの音」「かんの音」から音の並びによる規則性が分かると、音を読むのが早くなります。
1音1音パパッと読める、
というより、
前の音から縫うようにしてスラスラ読める、という感覚です。

音楽は繋がっています。
1音1音別に読めたとしても、実際に役には立ちません。

繋がり(フレーズ感)のある音楽を目指す為にも、楽譜から音を読む訓練をしましょう。

⑤拍子について

楽譜の初めの方に分数が書かれています。

・4分の4拍子
・4分の3拍子
・8分の3拍子

というように、分母から読みます。

実際、この拍子の意味があまり理解出来ていなくてもピアノは弾けます。
しかし、分母の数字が違うと、ガラッと音の並びが変わるので戸惑います。

ここでは初心者からよく使われる「4分の4拍子」と、
中級以上で取り上げられる「8分の6拍子」について説明します。




「4分の4拍子」

楽譜には途中で線が節のようにひかれています。
線が引かれることで、お部屋のような「小節」が何個も出来ます。
曲が長くなるほど、この「小節」は増えます。
この「小節」は1つで「1小節」と読みます。

「4分の4拍子」は1小節に4部音符が4つ分入りますよ、という意味です。
1小節ずつ規則正しく音符を並べる事で、自然とリズム感(拍感)が生まれます。





「8分の6拍子」

中級レベルになると分母の違う拍子が登場します。
1小節に8分音符が6つ入りますよ、という意味です。

ここで8分音符について説明します。

8分音符とは、1拍分を表す4分音符の半分の長さを表す音符です。
読み方は「タ」と発音する短い音価です。

今までは4分音符を1拍と考えていましたが、
「8分の6拍子」の世界では8分音符を1拍、4分音符を2拍と変換して楽譜を見る必要が出ます。
それに伴い音符の読み方も、8分音符は「タン」4分音符は「ターアン」となります。

分母が変わる事で音符の長さ(音価)も変わります。
まずは分母が4の拍子に慣れてから、8分の6拍子に進みましょう。
一見難しそうですが、弾いてみると8分の6拍子の方が弾きやすい!と感じる方もいます。
是非、自分に馴染む拍子を見つけていってください。



リズム感がなくても拍子は理解できる

よく「リズム感が無い」というセリフがあります。
楽譜に出てくる拍子とリズム感はあまり関係がありません。

ピアノを演奏する上で、自由気ままにリズムを奏るのは間違いです。
きちんと一定の速度(テンポ)で規則正しく弾くのが基本です。
その上で、2拍子らしさ、3拍子らしさ、4拍子らしさを出していくのです。

音楽に合わせて体を動かすのが苦手…
早いテンポで歌うのが苦手…
という理由でピアノを諦めないで下さい。

まとめ

ここではピアノを習い始める前段階として、知っておくと良い知識をご紹介しました。

・音の並び順について
・ト音記号とヘ音記号について
・音符の種類と長さについて
・拍子について

ご紹介したどの項目も、全て楽譜に記されている事です。
ピアノは楽譜が全て。
楽譜から始まります。

この記事を読んだら、次のステップとしてレベルに合った楽譜を購入して良い段階です。

一昔前は「自宅に楽器があるから習う」という方がほとんどでしたが、
現代では楽器がなくても憧れのピアノが習える時代です。
住宅環境に対応した楽器が沢山生産されていますし、
健康寿命を伸ばす一環として「ピアノは脳トレ」という認識で習い始める方も多くいます。

楽器をいきなり用意するのは大変ですが、楽譜なら1000円程度で購入出来ます。
楽器がなくても体験レッスンは可能な教室がほとんどです。
習い始めようか悩んでいる方は、先ずは楽譜で感覚を掴みましょう。

初めの段階で楽譜が全て読める必要はありません。
弾きながら読めていくものですので、焦らずに楽譜と付き合っていくのが上達のカギです。